「嫌われる勇気」は悪魔の囁きか? ◆ 「『嫌われたくない』をどうするか?」



著者は心理学博士の榎本博明さん。

 

この本は自己物語の心理学に基づいて書かれています。

 

自己物語の心理学とは、私たちの自己は物語形式をとっており、私たちのアイデンティティは物語として保存されているという立場です。

 

意味に目覚めた私たちは、意味なしでは生きていけない。「出来事の世界」ではなく「意味の世界」を生きているのだというのが説明の趣旨です。

 

 

目から鱗”とはまさにこのことで、納得しっぱなしでした(笑)。

 

ほんでもって、いつものように備忘録です。

 



前向きに生きている人は、身に降りかかってくるどんな出来事にも肯定的な意味を読みとろうとする習性を身につけているようです

 

 

 

勉強そのもの、仕事そのもの、日々の行動そのものに、もともと意味が備わっているわけではありません。勉強でも、仕事でも、子育てでも、日々の行動にどのような意味づけをするかが問題なのです

 

 

 

これでいいと開き直る人は、自己嫌悪なんかしないはず。ということは、自己嫌悪は向上心のあらわれでもあるわけだ。

 

 

 

大切なのは、どんな出来事や状況にも、自分にとって何か肯定的な意味があるはずと信じて、肯定的な意味を見つけるクセを身につけること

 

 

 

みんなとうまくやるだけの人間になるより、何かができる人間になるほうが、自分なりに納得できるはず

 

 

 

自分の外見や性格、態度、行動が他者からどのように思われているかを想像する。クーリー(社会学者)は、そのようにしてできあがる自己像を「鏡映自己」と呼びました。

中略

そして、自己というのは、まさに鏡映自己にほかならないとまで言います。

 

 

 

人からよく見られたいという思いが強く、かつ人からよく見られる自信がない人ほど、対人恐怖が強いということです。

中略

人からよく見られたいという思いが強い場合も、自分は自己呈示がちゃんとできており、人によい印象を与えるほうだという自信がある人は、対人恐怖に脅かされることがありません。

 

 

 

市場的構え(※精神分析学者フロム談)とは、商品が市場に流通する際に、その価値が交換価値、つまり人気によって決まるように、自分の価値も人気によって決まるかのようにみなす心の傾向を指します。

中略

市場経済の世界にどっぷり浸かることによって、モノばかりではなく私たち自身の価値も、どんな能力があり、どんな人格を備えているかというそのような実質的な中身ではなく、交換価値によって、つまり人から受け入れられるかどうか、気に入られるかどうかによって決まるとみなされるようになってきました。

 中略

そこに現代の生きづらさがあるといってよいでしょう。

 

 

 

変わりたいのに変われないという人は、変わらないことのメリットを享受しているのです

 

 

 

現状に甘んじ、我慢することにエネルギーを費やすか、思い切って生活を変えるのにエネルギーを費やすか。どちらが気持ちいいエネルギーの費やし方かは、一目瞭然でしょう。

 

 

 

「なんで」「どうして」といった感情反応を「どうしたら」という認知反応に変えるように意識する

 

 

 

「人生の意味」という言葉が気にならないのは、日々の生活が意味で満たされている証拠といえます。満たされた欲求は意識にのぼりません。満たされない欲求こそが、強烈に意識されることになるのです。 「人生の意味」という言葉が気になるなら、それは日々の生活に意味を感じることができていないことを暗示しています。

中略

それは、生活を変えるときが来たということです。

 

 

 

私たちの受け止め方のクセが、私たちの生きる現実をつくっているのです

 

 

 

 

それでは・・・・。

 

口ベタな人ほど、うまくいく方法 ◆ 「心に届く話し方 65のルール」



著者は「NHK紅白歌合戦」や「ダーウィンが来た」「NHKスペシャル」でお馴染みの、元NHKアナウンサー松本和也さん(※今はアナウンサーを辞めて企業などにスピーチトレーニングをされているようです)。

 

ご自身はアナウンサーになるときも、家族や友達から反対されるほど、話すのが苦手だったとか。それをどう克服してきたかを、65個の項目に絞ってわかりやすく解説してくれています。

 

自分が話したいように話すのではなく、相手に理解してもらえるように話すことが大事だとのこと。

 

65項目どれも実践的ですぐ試せそうな内容でした。

 

その中でも特に印象に残ったのが2つ。

 

まず「自分へのハードルを上げない」。完璧を目指すとろくなことがありません。命までとられませんから(笑)。

 

次に「他人の話を聞きたがる人はいない」。聞き上手こそが円滑な人間関係のキモ。これはデール・カーネギーも言ってました。

 

 

 

社会の中で生活する以上、多い少ないはあっても話すことは必須。

 

話す仕事ではないかたにも、参考になるかと思います。

 

 

 

それでは・・・・。

 

駄作 ◆ 「セル」



「数々の傑作で知られる巨匠スティーヴン・キングの原作を、キング自ら脚本を手掛けて映画化」てことらしいです。

 

最近のスティーヴン・キングはどうしたのでしょう?

 

昔、あれだけ面白い作品を世に出していたころとは別人です。

 

この映画、まったく面白くありません。

 

数多くの駄作に出演している“サミュエル・L・ジャクソン”の名があったので、覚悟はしていましたが・・・。

 

 

近年のキング作品にはご用心、ご用心(笑)。

 

 

 

それでは・・・・。

 

 

 

2016年 アメリカ 日本語吹替えあり

地味に面白い作品 ◆ 「オフィサー・ダウン」



ドラッグにも手を染めていた悪徳警官が、署と自らの評判のため、身内の失態はことごとくもみ消す警部に嫌気がさし、正義感を取り戻すってストーリー。

 

よく練られた展開で、非常に楽しめました。

 

まったく期待していなかっただけに、何か得した気分です(笑)。

 

おススメです。

 

 

 

それでは・・・・。

 

 

 

2013年 アメリカ 日本語吹替えあり

かなりいいです、この映画 ◆ 「パッセンジャー」



他の惑星へ移住できることが可能になった時代のお話。

 

と言っても距離が距離なので、宇宙船のなかで120年寝っぱなし。もちろんその間は、歳をとりません。

 

ところがある男性が機械の故障で、あと90年残した状態で目覚めてしまいます。

 

男性は1年間、孤独に耐えますが、ついに一人の女性を故意に起こします。

 

女性には「僕も故障で目覚めたんだ・・・」と。

 

2人きりですから、当然、恋仲に。

 

ところがその女性、ひょんなことから、事実を知るんですね~。

 

 

 

展開も目が離せませんし、最近の作品にしては珍しくエンディングもきっちりメッセージがこめられていました。

 

いや~いいです。

 

おススメです。

 

ちなみに監督は「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」のモルテン・ティルドゥム

 

やっぱり、映画は監督次第なのではないかと・・・。

 

 

 

それでは・・・・。

 

 

 

2016年 アメリカ 日本語吹替えあり

3つの抽象的概念「愛・時間・死」 ◆ 「素晴らしきかな、人生」



幼い子供を亡くし、その痛手から心を閉ざしてしまった男性のお話。

 

セリフまわしもよく、ウィル・スミスの演技も涙を誘います。

 

 

「結局のところ人は“愛”を求め、もっと“時間”が欲しいと思い、“死”を恐れる・・・」

 

 

作品冒頭スピーチシーンでの言葉です。

 

この“愛”・”時間“・“死”をめぐり、話が展開します。

 

 

ただ前半がかなりよかっただけに、期待値が上がりすぎて、後半はちょっとインパクトが・・・って感じでした。

 

もちろん“あり”か“なし”かと問われれば、“あり”です、あしからず(笑)。

 

まぁまぁおススメ。

 

 

 

それでは・・・・。

 

 

 

2016年 アメリカ 日本語吹替えあり

やさしい気持ちになれます ◆ 「最高の家族の見つけかた」



突然“脳腫瘍”を宣告された、とても明るいお母さんとその家族のお話。

 

感動モノにありがちな、狙いにいった感もなく、非常に後味のいい映画でした。

 

まさに“心温まる”という言葉は、この作品のためにあるような・・・(笑)。

 

 

ちょっとやさしい気持ちになりたいときにどうぞ。

 

 

 

それでは・・・・。

 

 

 

2016年 アメリカ 日本語吹替えあり

これは面白い! ◆ 「コロニア」



1973年のチリ・クーデターを描いた作品。

 

共産主義の青年が、軍部が支配する政府に捕えられ拷問を受けます。

 

それを知った彼女が、彼が幽閉されているというカルト教団の施設へ・・・、て流れです。

 

 

はじめから終りまで、感情移入できました。ドキドキです(笑)。

 

おススメです。

 

 

 

それでは・・・・。

 

 

 

2015年 ドイツ / ルクセンブルク / フランス 日本語吹替えあり

累計500万部 半世紀以上読み継がれる隠れた傑作 ◆ 「人を動かす原則」



「人間関係のバイブル」と帯に書かれています。

 

仕事だろうが、プライベートだろうが、すべては人間関係が重要なのだというのが趣旨。心理学者のアドラーと同じ考えかたです。

 

ただこのレス・ギブソンという人は、それをもう少し“自己啓発的”というか“技術的”というか“実践的”というか・・・、ま~わかりやすくシンプルに表現しているって感じでしょうか。

 

 

~人間の本性に関する4つの真実~

 

1.人はみな自分本位である

 

2.人はみな他のなによりも自分に興味がある

 

3.人はみな自分が重要な存在であると感じたがっている

 

4.人はみな承認欲求をみたすために他人に認めてほしいと思っている

 

 

本書、前半に出てくる一文です。 言われると当たり前なのですが、日常ついつい忘れがちになる、それでいてこれ以上、肝に銘じておかないといけない真実はないのでは・・・と思います。

 

簡単に読めて、しかもお手頃価格です。

 

人生ちょっと停滞気味で、分厚い古典はな~てかたにおススメです。

 



自己中心的で自惚れの強い人たちは自尊心が高すぎるのではなく低すぎるのだ

 

 

 

自分を認めて欲しいという切実な願いを満たす人の周りには、多くの人が集まる

 

 

 

あなたは他人に自己重要感を与える力を持っている

 

 

 

礼節やマナーの目的は、自分の価値を感じたいという人間の普遍的な欲求を満たすことである

 

 

 

相手に好印象を与えたいなら、相手に感銘を与えようとするのではなく、相手に感銘を受けたことを伝えるのが最も効果的な方法だ

 

 

 

相手が正しいか間違っているかは本当に重要か

 

 

 

私たちはみな、周囲の人の行為と態度に影響を与えて、コントロールする力をもっている。にもかかわらず、多くの人がその力を自分のために役立てるより、むしろ自分の足を引っ張るかたちで使ってしまっている。

 

 

 

熱意は相手に伝染しやすい

 

 

 

自信は信頼を生む

 

 

 

会話上手になる秘訣は、利口そうなことや勇ましい体験談を披露することではなく、相手に打ち解けた状態で話をさせる雰囲気をつくることである

 

 

 

自分の主張を理解してもらうために相手の言葉を引用する

 

 

 

説得の達人は、相手が面子を保ったまま意見を変えることができるように配慮する

 

 

 

さすが名著。極めてシンプルに核心をついています。

 

 

 

それでは・・・・。

 

クレーマーには理由があった・・・ ◆ 「幸せなひとりぼっち」



妻に先立たれた“へんこつおじいちゃん”のお話。

 

買い物時に店員にクレームつけるわ、近隣住人にからむわで、観ながら「いてるいてる・・・」と腹が立つほどの演技。

 

ところが、生まれつきこういう性格だったわけではなく、伴侶の死と関係があったんですね~。  

 

 

 

余談ですが、邦題にやたら“幸せ”をつけたがるのは、なぜでしょう?そのほうがヒットするからなのでしょうけど・・・、それだけ多くの人が“幸せ”に惹かれているのでしょうか?

 

少なくとも私はそうですけど(笑)。

 

 

 

それでは・・・・。

 

 

 

2015年 スウェーデン 日本語吹替えあり