この前の「持たない幸福論」が良かったので
引き続きphaさんの「ニートの歩き方」を読んでみました。
こちらのほうが早く出版されているのですが
内容的には、重複する箇所も多いので
どちらか1冊を選ぶなら、こちらでいいと思います。
もちろんタイトル通り
ニート生活についての指南もあるのですが
今の日本社会について著者が考えていることが
この本のキモです。
なんでもかんでも
「自己責任」
で片づける 昨今の風潮に関して
「本当にそうなのか?」と
疑問を投げかけています。
人生は、生まれてくる家庭環境や
健康問題・景気など「初期設定」でかなり
難易度の違う、しかもリセットのできないゲームのようだと。
それに対して
「困難な環境で成功している人もいる」
という意見もあるが
「レアケースを一般化してはいけない」
「本人の責任は50%ぐらいなのでは・・」
と述べています。
何も社会が悪いと言いたいわけではなく
「20%の働きアリは働かない」という話や
「天才が生み出すものに共感できるのは
それを、うすうすみんなが心に持っているから・・・」
「犯罪者に興味を持つのは、自分たちの何かを
拡大したものに過ぎないから・・・」
などの話を交えながら ようは、みんなが
「全体の一部」なので もっと寛容になれば、自殺者も減って
住みよい社会になるのではというメッセージで閉められています。
仏教の「唯識」みたいな感じでしょうか・・・・。
「誰が悪い」という展開ではありません。
広い視野で、しかもフワッとした感じなのですが
非常に考えさせられる一冊でした。