“あなたの思考は心が語る物語にすぎない” ◆ 「幸福になりたいなら 幸福になろうとしてはいけない」



マインドフルネスから生まれた“心理療法ACT(アクト)”の入門書です。

 

とは言っても、以前紹介した

laozi.hatenablog.com

よりは分量的にも多いので、そちらを読まれてからのほうがいいかもです。

 

※ラス・ハリスさんの本は、分厚いのでどれも手ごわそうです(笑)。

 

 

帯にある「あなたの思考は心が語る物語にすぎない」という一文がグッときました。

 

 

ほんでもって備忘録。いつもより多いですが(笑)。

 



十万年前、部族には、自分と比較するようなメンバーはほんの少ししかいなかった。だが今日、新聞や雑誌、テレビを見れば、自分より賢くて裕福で、よりスリムでセクシー、有名でパワフルで成功している人々が溢れている。こうした派手なメディアの創造物と自分を較べたとき、私たちは劣等感と失望を感じざるを得ない。さらに悪いことに、私たちの高度に洗練された心は自分がなりたい理想像を作り上げ、それと現実の自分自身を比較する。どう考えても勝ち目はない。結果、いつも自分に不足感を持つことになる。

 

 

 

進化がかくのごとく私たちの脳を形成したおかげで、私たちは生まれつき、比較し、他者を批判し、自分に足りないものに注意を向け、在るものだけでは満足せず、そのほとんどが実際には起こらない恐怖のシナリオを想像してしまうようになった。人々が幸福になるのは難しいと考えるのも無理はない。   

 

 

 

あなたは、ものごとをポジティブに考えようと数えきれないほど試したに違いない。だがネガティブな考えはいつも戻ってきたのではないだろうか? 中略 思考や感情のコントロールに失敗すると、自分は無力だという思いが強められることが分かっている。

 

 

 

短期的に不快感を閉じ込める戦略の多くは、長期的には生活の質を損なう

 

 

 

私たちは幸福になるために嫌な感情を排除しようとする。だが排除すればするほど、感情は再生産される。

 

 

 

私が言うから効果があるだろうと思ってはいけない。自分で試してみて、体験したことを信じるのだ。

 

 

 

文章の言葉は「テキスト」、話し言葉は「会話」、頭の中で使用される言葉は「思考」と呼ばれている

 

 

 

私たちは多くの場合、自分の思考を疑いのない真実として受け止め、全力で注目しなければならないと思っている。思考へのこうした反応を、心理学の専門用語で「フュージョン(融合)」と呼ぶ。

 

 

 

思考は単なる音、言葉、物語、あるいは言語のかけらである 思考は真実かもしれないし、そうでないかもしれない。それを盲目的に信じるべきではない。

 



心は物語を語るのが大好きだ。しかもそれは止まることがない。来る日も来る日も一日中、心は人生ですべきこと、他の人々があなたをどう思っているか、未来に何が起こるか、過去にしでかした失敗などを嘆き続ける。それはひっきりなしに放送しているラジオのようなものだ。

 

 

 

調査によれば私たちの思考の80%はある程度ネガティブなものだという。

中略

心理学的な手法のほとんどが、ネガティブな物語を問題視し、それを除去することに躍起になっている。

中略

実際のところ、長い目でみればこうした方法ではネガティブな思考を追い払えない。

 

 

 

思考は単なる物語

過去の経験を思い出してみると、あなたの信念が時間とともに変化していることに気づくだろう。かつてのあなたが固く信じていたことが、今は馬鹿馬鹿しく感じられることもある。

 

 

 

心の進化の過程で、私たちの思考は多かれ少なかれネガティブになった。ネガティブ思考を敵視するのは自分自身と戦うことなのだ。思考は単なる言葉であり、シンボルであり、あるいは言語の断片である。

 

 

 

心は常に不快な物語を囁くことを止めない。それが心というものなのだ。

 

 

 

感情は天気のようなものだ。常に存在し、常に変わり続ける。

 

 

 

ある感覚や衝動が不快だからといって、それが悪いものだということにはならない。

中略

多くの人々はお金を払ってまでホラー映画を見たり、スリラーを読んで味わおうとしている。これは非常に興味深い。つまり、感情自体に悪いものはないのだ。

 

 

 

感情はあくまで感情にすぎない。いちいち分析することなしに受容できれば、多くの時間と労力が節約できる。

 

 

 

私たちが皆、高い自尊心を望むとしたら、どうやってそれを得ればよいだろうか?よくやるのは、思考する自己を説得し、自分は良い人間だと宣言させるために多くの理由づけ、正当化、交渉をすることだ。 中略 このアプローチの問題点は、自分がよい人間であることを証明し続けなければならないことだ。 中略 「自分は不十分だ」ということを常に否定し続けなければならない。それには多くの時間と労力がいる。 中略 ポジティブなアファメーション(断言)のテクニックを使うかもしれない。 中略 だがこのテクニックの欠点は、ほとんどの人が自分の言っていることを信じていないことだ。 中略 ポジティブなアファメーションはネガティブな反応を引きつける傾向がある・・・。

 

 

 

あなたの思考や浮かんでくるイメージは常に移り変わっている。心地よいものも苦痛なものも、時には役立つものも、邪魔になるようなものもあるだろう。 中略

感情や感覚にも同じことが言える。あなたは時に悲しみ、時に幸福を感じる。時には穏やかで、時には怒りに震える。健康を感じるときも、病を感じるときもある。

中略 あなたが演じている役割も、思考も、思い起こすイメージも、感情も、感覚も、肉体も、人生を通してずっと変化していく。だが観察する自己は変化しない。

 



価値とは、西を目指して旅するようなものだ。どこまで行こうと西はさらに向こうまで広がっている。一方、目標は山や川のようなものだ。そこに行ってしまえば、それで目標達成なのだ。

 

 

 

いい気分に必要以上に囚われてはいけない。それを追いかけることを人生の目的としてはいけないのだ。いい気分はあなたを訪れ、そして去っていく。他の感情と同じだ。

 

 

 

人生とは登山のようなものだ。簡単な局面も難しいときもある。 目標を実現するためのスキルが足りないなら、それを身につけるための時間をとらなければならない。自転車の乗り方を知らないなら、ツールド・ド・フランスへの出場を考えるべきではない。

 

 

 

不快感を避けようとするほど、重要な変化を起こすことは難しくなる。変化は常にリスクを含んでおり、自分の恐れと向かい合うこと、コンフォートゾーンから出ることを要求する。

中略

変化は通常、不快な感情をもたらす・・・。

 

 

 

心はわたしたちがやりたいことをやらない理由を思いつくことが本当にうまい

 

 

 

思考は行動に影響を与えることはできるが、コントロールはできない

 

 

 

理由というのは往々にして、私たちが何かをすること(あるいはしないこと)への言い訳

 

 

 

浮かんでくる思考を、行きかう車のように扱い、自分の行動に意識を集中しよう

 

 

 

どんなにうまく歩くことを学んだとしても、歩き初めに転ばない人はいない

 

 

 

人生は与えられたものを最大限に生かすものにもっとも多くを与える

 

 

 

どんなに苦痛でもすべての危機は成長の機会であり、心理的柔軟性を鍛えてくれるということだ。危機が訪れたとき、自分に尋ねよう。「これによってどんなふうに成長できるだろうか?学べることは何だろうか?どんなスキル、知恵、性格の強みを伸ばせるだろうか?

 

 

 

いやいや、ためになりました。

 

 

 

それでは・・・・。