「ヒトはどう進化してきたのか」ということを軸に、心身の不調を改善しようといういうのが本書の狙いです。
第1章 文明病
第2章 炎症と不安
第3章 腸
第4章 環境
第5章 ストレス
第6章 価値
第7章 死
第8章 遊び
進化論ベースなだけに、説得力が違います。
同時に全部は実行できませんので、つまみ食いでいいのではないでしょうか(笑)。
ほんでもって備忘録。
身体の不調だけでなく、心のトラブルや脳のパフォーマンス低下も、やはり進化のミスマッチが原因だと考えられる
問題解決
ミスマッチを起こしている環境を、遺伝に沿うように修正する
人体にとって、内臓脂肪は「異物」でしかありません。そのため私たちの体は、内臓脂肪が増えると免疫システムを動かしはじめ、脂肪細胞が分泌する炎症性物質が臓器に炎症を引き起こします
古代と現代のミスマッチが起こる3つのパターン
多すぎる:古代には少なかったものが、現代では豊富すぎる
少なすぎる:古代には豊富だったものが、現代では少なすぎる
新しすぎる:古代には存在していなかったが、近代になって現れた
私たちの脳と体は「低カロリー」には上手く対応できますが、「高カロリー」を処理するようには設計されていません
不安の機能は「アラーム」
「喜び」や「楽しさ」といったポジティブな感情がなくても、すぐに生存の危機には結び付きません。
中略
少なくとも人類の進化においては、ネガティブな感情のほうが役に立ってきたのは間違いありません。
ポジティブとネガティブの不均衡は、古代の環境であればよい方向に働きます。
中略
不安の質が変わった現代では、かつてうまくいった機能が動作しません。「ぼんやりとした不安」のせいでアラームが誤作動を起こし、やがて頭の中で非常ベルがなりっぱなしの状態になっていくからです。
人類の遺伝子には「遠い未来」に対応するシステムが備わっておらず、「不安」という短期用プログラムを駆使しながら、どうにかやりくりしていくしかありません。
リーキーガットはアレルギーや認知機能の低下など様々な症状を起こしますが、なかでも重要なのは「疲れやすさ」との関係性でしょう
衛星的な生活が免疫システムを狂わせる
私たちの腸内細菌は、加工食品が大の苦手です
“偽物の自然”にもリラックス効果がある
ヒトの認知リソースは大勢の友人をさばくようにはできていないため、1回につき5人前後としか親密な人間関係を築けない
古代の人々の暮らしと比べて
進むべき方向に迷ったときは、周囲の環境から「多すぎる」「少なすぎる」「新しすぎる」のいずれかを探し、できる範囲で調整していけばいいのです
リアプレイザル
日常で緊張を感じたら「興奮してきた!」と言い換え、誰かにイライラさせられたら「この人に悪いことがあったのかもしれない」と考え直すように意識してください。多くの研究によれば、2~6週間ほどで小さな「リアプレイザル」を積み重ねれば、確実に脳がストレスに強くなっていきます。
未来との心理的距離が近い者ほど不安に強く、セルフコントロール能力も高い
「(自己連続性の高さとは)未来の自分の身になって考えられるということだ。そのため、現在の決定が未来に及ぼす影響を実感できるようになる」ナットソン博士
「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐えれる」ニーチェ
中略
自分の「価値観」に沿って人生を生きている人ほど寿命が長いわけです。
ヒトも例外ではない
あなたの喜びも悲しみも生きがいも、すべては種の保存のために備わった機能のひとつにすぎません。人生に哲学的な目的などあろうはずがなく、それゆえに原始人にとって人生の意味はいまより単純でした。 価値観の多様化が問題なのは、私たちの未来像を、ぼんやりしたものに変えてしまうからです
目標は未来に到達すべきゴールのことであり、いったんクリアすればそこで終わり。
中略
しかし、価値はつねに現在のプロセスなので、どこまでいっても終わりはありません・・・。
中略
「クリエイティブな仕事につく」は目標ですが、「クリエイティブな人間でいる」なら価値・・・。
中略
価値にもとづく行為は時間の心理的距離を“いまここ”に収束させ、未来への不安を消し去ります。
自分の行動が他者に良い影響を与えていると確信できたときほど、私たちの幸福感は高まりやすくなります
脅威管理理論
すべての人間は無意識に死への不安を感じており、私たちが選ぶ行動の多くは、その恐怖を解消するために行われる
ブッダの悟り
ひとことで言えば「すべての欲望はフィクションだと気づきなさい」というものです
アジャイルソフトウェア開発の技法
・今日やりとげたいことを毎朝3つ書き出して実践
・今週やりとげたいことを週の頭に3つ書き出して実践
・今月やりとげたいことを月始めに3つ書き出して実践
・今年やりとげたいことを年始に3つ書き出して実践
・毎週末にレビューを行い、うまくいった点を3つ、改善できる点を3つ書き出す
「3のルール」が効果的なのは、そもそも人間の脳は、一度に「4±1」種類の情報しか処理できないからです
そもそもヒトの脳がまだ現代的なタスクに対応できていないのだから、どんなに優秀な管理テクニックも応急しかならないでしょう。私たちにできるのは、そんな限界を認めたうえで、現在と未来の心理的距離を縮めることだけです。
ヒトの脳は「未来」の取り扱いが苦手なので、少しでも先の見通しがぼやけただけで不安が生まれてしまいます
この本の著者鈴木祐さんの本は、もう少し読んでみたいと思います。
それでは・・・・。