「新時代の森田療法~入院療法最新ガイド~」

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に続いて森田療法の本はこれで4冊目です。

 

森田療法の考え方 行動療法と同じ点、違う点

■入院治療の具体的な内容と外来治療

■患者さんからの質問

■体験談

 

こんな感じで構成されています。

 

「よくわかる森田療法」では、森田療法神経症にしか効果がないと記述されていましたが、この本ではうつ病にも効果があるという説明です。(※うつの症状にもよるらしいのですが・・・)

 

慈恵医大森田療法センターが出している書籍なので、患者さんの声が聴けるのが上記3冊との違いです。

 

神経症に関しての記述は、非常にためになりました。わたしに当てはまることが多すぎて多すぎて(笑)。

 

 

ここからは備忘録です。

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森田療法では不安をコントロールするのではなく、不安に対する自分の態度を転換させるところに主眼が置かれている

 

 

 

神経質性格とは内向的、自己内省的、小心、敏感、心配性、完全主義、理想主義、負けず嫌いなどを特徴とする性格素質を指します。つまり小心、心配性など弱気の部分と理想主義、負けず嫌いなど強気の部分が共存し、それだけに「強気の自分が弱気の自分を許容できない」といった形で内的葛藤を起こしやすい性格だということができます。

 

 

 

緊張を苦にする患者さんがTシャツを買いに行ったとします。患者さんは、店員と接したとき、緊張すれば失敗、リラックスできたなら成功と言うふうに判断するでしょう。けれども、購入したTシャツが粗悪品であったり不当に高価な品であったなら、いくらリラックスしていたとしてもその行動は買い物という目的に照らして成功とはいえないのです。対照的に、とても緊張していたとしてもよいシャツを安い値段で買うことができたのなら、それは目的に適った行動だということができます。

 

 

 

強迫的で完全主義的な傾向にある人は、何か行動する前に、それをどのように実行するのがよいかと計画ばかり考えて、なかなか実際に取り掛かることができません。しかしいくら頭で考えていても、実際にことにあたらなくては、よいアイデアは生まれてこないものです。

中略

森田は「ただ遊び半分の心持で、何でも目先のものに手をつけ始めさえすれば、そこから自然に心の働きが開発して」仕事が片付いていくと述べています。

 

 

 

「外相整えば内相おのずから熟す」

乗り物恐怖の人は、不安がなくなれば乗れるようになると考え、まず不安を除去することに努力を傾けますが、不安は除こうとすればするほど大きくなっていくものです。 中略 恐る恐る乗り物に乗って目的地に向かうことを重ねていけば、いつしか不安な気分も流転し、平常心に変わっていくのです。

 

 

 

「前を謀らず、後を慮らず」達磨大使

神経症の人々は、将来起こるかもしれない事態を予測して不安にかられたり、過去のことを繰り返し後悔しているため、いま現在のことがおろそかになる傾向があります

 

 

 

「事実唯真」

不安や疑問を感じるまま歩みを進めていけばいいのです。そうやって粘って生活を続けるうち、いつしか不安や症状から注意が離れ、目前の作業に没頭している時間があることに気づくでしょう。たとえそれが一時のことであったとしても、重要なことは不安や症状が消失しなくても作業に打ち込み、それを成し遂げることができたという事実です。

 

 

 

不安感は一歩前進するときに強く起こるもの

 

 

 

神経症に陥る人は、完全でありたい、よりよく生きたいという欲求が強いために、不安な感情をまず排除してから物事に取りくもうとします。その姿勢が、かえって不安や恐怖を意識してそれにとらわれる状態を作り出してしまうのです。

 

 

 

神経症に悩む人々は、何事も知的に理解し解決しようとする傾向があります。それゆえ、とらわれに陥りがちともいえるわけですが・・・

中略

“まず考える”のではなく“まず行動してみる”、“行動しながら考える”といった新しい関わりを試みなければなりません

 

 

 

神経症に悩む人は、どうしても先に結果を求めてしまう傾向があります。すなわち、これをやって意味があるのかどうか、本当に治るのかどうか・・・と、理屈で考えて答えを得ようとするのです。そして、結果が見えない不安や失敗への恐れから、結局いつもの関わり方(不安を先に排除しようとする姿勢)から離れることができず、新しい体験に踏み出すことを躊躇してしまうのです。

 

 

 

「やりたくない」と思うこと自体はいっこうにかまいません。

中略

「やりたくないなあ」と思いつつ、投げ出さずにとりあえず丁寧に取り組んでみる、そしてその作業の目的を考え、少しでも効率のよい方法は何だろうかなど工夫をしながら関わっていけばよいのです。

 

 

 

神経症の人は、完全主義的な傾向があるため、作業には“納得して”、“やる気をもって”取りくまなければいけないと考えがちです。それゆえ「嫌な気分ではいけない」と自分を責めてしまったり、嫌な気分を排除するために「やりたくない」と感じる作業そのものを避けようとしてしまうのです。

感情は自分の思い通りにはなりません。しかし、そこでどのような行動をとるかは自分の責任で選ぶことができるのです。やりたくないという嫌な気分を抱えながら作業にはしっかり関わってみる。それだけでよいのです。

 

 

 

体験記

 

症状を気にしてクヨクヨしてる時間があったら、何か自分を成長させるための勉強と努力をまず始めたほうがいい、ということには気づきました。

 

 

 

この職のない時代に、一日一日、健康で仕事ができていることが、何よりの幸せである。

 

 

 

すべての人を好きでなくてはいけないとどこかで思い込んでいたのですが、今は嫌いな人がいても自然なことと考えられるようになっています。

 

 

 

 

 

それでは・・・・。   

 

 

新時代の森田療法 [ 東京慈恵会医科大学附属第三病院 ]