「不安」を感じていたからこそ生き延びたのだ ◆ 「Think clearly」- 2



「Think clearly」の備忘録。先日の続きです。

 

ちなみに、著者のロルフ・ドベリさんは、「なぜ、間違えたのか?」という、これまた面白そうなタイトルの本も書いています。

 

残念ながら、上記の本は絶版なので、電子ブックかアマゾンのマーケットプレイスで買うしかなさそうですが・・・。

 



「心配することはない。あなたが小指一本動かさなくても、あなたの敵もいつかは死ぬ」古代ローマの哲学者セネカ

 

 

 

私たちは常に「不安」を感じていたからこそ生き延びたのだ

 

 

 

私たちが犯しがちな間違い

ひとつ目は、自分の興味のないテーマにも意見を述べてしまうこと

中略

ふたつ目の間違いは、答えられない質問にまで発言してしまうこと

中略

複雑な質問に、性急な答えを返してしまいがちなこと

 

 

 

「書く」という行為は、考えを整理したいときの王道だ

 

 

 

今日にいたるまでストア派は、日常生活における疑問に実践的な答えを提示している唯一の哲学の学派である。それ以外の学派や傍流の理論は、知的刺激は与えてくれるが、人生の課題の克服にはほとんど役に立たない。

 

 

 

「考え方の選択は、人間に残された最後の自由だ」ヴィクトール・フランクル

 

 

 

「他人と比較する」行為が、幸せと遠ざける 胸をえぐられるような映像を見て、テレビの前で犠牲者への哀れみにどっぷりとひたっていても何もならない。犠牲者のためにもあなたのためにもならないし、世界で起きている惨事に「興味を持つ」のはただののぞき見趣味にすぎない。

 

 

 

情報は私たちに何かを与えているのではなく、逆に私たちから何かを盗んでいる。

中略

それらにかかわった途端に、私たちは自分の注意や、時間や、場合によってはお金まで奪われてしまう。

 

 

 

現代の情報メディアとの付き合い方を先天的に身につけているわけではない。

中略

だから「情報科学との付き合い方」を自覚的に学ばなければならない。

中略

文字の読み方や計算の仕方をあなたはどうやって学んだだろうか?文字を読めて計算もできる人の近くにいるだけで学べただろうか?

 

 



「あなたがどこに注意を向けるかで、あなたが幸せを感じるかどうかが決まる」心理学者ポール・ドーラン

 

 

 

二度読んだときの読書効果は、一度しか読まないときの倍どころではない

 

 

 

三十歳を過ぎたら、人生の残り時間を出来の悪い本に費やすのはもったいない

 

 

 

きちんと説明しようとして初めて、自分たちの知識が不完全なことに気づく

 

 

 

私たちの意見は洋服と同じようなもので、そのときの流行りのものをただ身にまとっているだけだ

 

 

 

人生におけるポジティブなことの99%は「新しく起きる出来事」ではなく、「ある程度長期にわてって続く一定の状態」であるため、そのことで最初に感じた幸せは「慣れ」によって消えてしまうのだ。感謝の気持ちの維持は、「慣れ」との闘いになる。

 

 

 

ストア派の哲学者たちは、すでに2000年も前にこう述べている。「まだ持っていないものについて考えるよりも、いま持っているものを持っていなかった場合、どのくらい困っていたかにについて考えたほうがいい」。

 

 

 

「運命は、いろいろな出来事を人間の頭の上に投げつける。生きるためには、強い精神を持たなければならない」古代ローマの哲学者セネカ

 

 

 

世界の「不公正」さは、現実としてそのまま受け入れて、冷静に耐えたほうがいい 世界を公正さを保つためのシステムは、存在しない。世界を不公正にするシステムも存在しない。そもそも、世界にはどんなシステムも存在しないのだ。

 

 

 

脳のキャパシティは限られている。専門分野の増えれば増えるほど、一般的な知識のためのスペースは少なくなるはずだ。

 



物質的なものだろうが精神的なものだろうが、世界に生み出されたものの90%には価値がないのだ。

中略

だからといって、そうした90%のことを、世界から一掃しようとするのはやめたほうがいい。まず、そんなことをしてもうまくいかない。世界の不合理が解消される前に、あなたの正気が保てなくなる。

 

 

 

「自分を重要視しすぎない」のは、よい人生を手にするための基本中の基本だ

中略

自分を重要視すればするほど、「自己奉仕バイアス」に陥りやすくなる・・・。

中略

自己奉仕バイアスに陥ると、何かの目標に到達するために何かを行うのではなく、自分をよく見せるために行うようになる。

 

 

 

「個々の人間が世界を変えられる」という思想は、現世紀を象徴するイデオロギーのひとつだが、実はまったくの幻想でしかない

 

 

 

「変化の裏には、誰かの意図が働いている」という考え方は、私たちの進化の過程から来るものだ。何かが起きたときは「誰かの意図が働いている」と考えておいたほうが、意図は存在しないと思い込むより、「安全」だったからだ。

中略

現在生きている私たちは、「何かの出来事の背後には、必ず誰かの意図がある」と考えた人たちの生物学的な子孫である。

中略

そのため私たちは、誰かの意図とは無関係に起きた出来事に対しても、誰かの意図やその出来事の背後にいる誰かの存在を感じてしまう。

 

 

世界の歴史に秩序はなく、偶然に左右されるところも大きいため、先行きの予想は不可能だ。

中略

歴史上の「重要人物」は当時起こった出来事の登場人物のひとりにすぎない・・・。

 

 

たとえあなたがどんなに優秀でも、世界全体の構造から見れば、あなたはさして重要でも不可欠でもない、取り換え可能な存在でしかない。あなたが、本当に重要な役割を担っているのは、あなた自身の人生にたいしてだけだ。

 

 

 

「経済成長が続いていれば、人々は希望が持てる。そして希望があれば、大きな所得格差にも耐えられるものになる」ヘンリー・ウォーリック

 

 

 

私たち、「偶然」を理由にしたがらないが、それが真実なのだ。

中略

あなたの遺伝子や、あなたの生まれる地域やあなたの知性や意志の力に、あなたは一切影響を与えられない。

 

 

 

「成功とは、最高の自分になるために全力を尽くしたあとに得られる、心の平和のことだ」ジョン・ウッデン(抜きん出た業績のバスケットボール名コーチ)

 

 

 

直観は、信頼できるコンパスではない。そして、私たちはこの不透明な世界を、別の世界のためにつくられた脳を駆使して生き抜こうとしている。別の世界とは石器時代である。

 

 

 

過去一万年間に私たちを取り巻く世界はがらりと変化したというのに、私たちに搭載されているソフトウェアもハードウェア(つまり私たちの脳)も、マンモスが草を食んでいた時代のままだ。そう考えれば、抽象的な考え方から具体的な生き方まで、すべての面で私たちがミスをおかしてしまうのも当然かもしれない

 

 

 

最初に念入りに計画を立てて成功するのを待つよりも、ある程度準備だけをして計画をスタートさせ、状況に応じて調整を加えたほうが成功する確率は高い

 

 

 

濃密な1冊です。超おススメ。

 

 

 

それでは・・・・。