読書論や速読にまつわる本は結構読みましたが、これが一番いいですね~。
著者自身、かなり速読を学んだようです。その上で、ずばり予備知識がないと速く読むことはできないと。自分が良く知っているジャンルの本は速読できるが、まったく知識のない難解な本は、そう簡単にいかないと・・・。
「に上も三の石年」
これをパッとみても「石の上にも三年」てわかりますよね。人は文字を追いながら、自分のデータベースを参考にしているとのことです。
じゃ、新しいジャンルの本は、よく学ぶまで速く読めないのか?学ぶために、速く読みたいのにってなりますよね?
そこを解決するのが、この宇都出さんの速読法。
今から読む本自体を、馴染みにするため何度も読むんですって。
何度も読んだら、益々時間がかかるじゃないかと疑問がでてきます。
ここがポイントで、「目次→まえがき→あとがき→見出し→理解できなくても本文を流す」のサイクルを繰り返す(新聞を読むように)ことによって、予備知識を蓄えてスピードアップしていくと。
記憶定着は繰り返ししかないと言いますから、この方法、なかなか説得力があります。
1回で理解しようとするから、精読する→精読するから時間がかかる→時間がかかるから理解できない→理解できないからあきらめるって流れ。
ではなくて、何度も読むと決めているから、わからなくても読み飛ばせる→精読しないから早く読める→速く読めるから繰り返しが苦にならない→繰り返すから予備知識が蓄えられる→益々、速く読めるって感じで、好循環になると。
速く読んでも身になっていないと意味がないので、理解するということにフォーカスすると、これは使えそうです。
で、実際にやってみました。「繰り返し読むって時間がかかるのでは?」と思っていましたが、そうではありませんでしたし、森から木・・・なので頭にもよく入りました。いい感じです(笑)。
目を鍛えたりする従来の速読法は、身につけて損ではないが、それだけでは知らないジャンルの本を速読するのは不可能だと著者は断言しています。
あるいは、目的を決めて拾い読みする「検索読み」。これも、そういう読み方なら、ネット検索で事足りるという意見です。
この絵、よく見かけますよね?目的を限定して読むのは「老婆」を探して、それを見つけて終わり。読書の醍醐味は「老婆」だと思っていたものが「若い女性」にも見えるといういう、著者の考え方、アングルと出会うことだと・・・。
いやいや、これは金言。 読書によって新しい世界が開けるってこと多いですものね。
「目的を明確にして読む」という昨今の提言に、納得しつつも、なんとなく腑に落ちないところがありしたが、宇都出 さんの言葉で救われました。
いい本に出逢えてよかったです。おススメ。
それでは・・・・。