フィンランドに住む青年のドキュメンタリー映画。
家中のすべてのものを倉庫に預けて、一年間「1日にひとつだけ持って帰ってもOK」「買物はなし」のルールを自分に課せて、果たして何が必要で、何がそうじゃないかを確認してみるって試みです。
“シンプルライフ”とありますが”今流行の“ミニマリズム”的なお話ではなく、“幸せって何?”的なアングルです。
これまた邦題のミスリードです。わざとでしょうけど。
それも、あってでしょう、どのサイトもレヴューは芳しくありません。
ミニマリズムが快適さの追求なら、この映画では、明らかに生活に支障をきたす状態からのスタートなのでアプローチが全然違います。
真っ裸で何もない部屋がスタート。一晩目はロングコートを選んで、服兼寝具。何日も経って、ようやくマットレスで眠れるようになったときの「ものすごく幸せだ」という主人公の発言には、考えさせられるものがありました。
途中途中で仲のいい祖母にアドバイスをもらうシーンがあるのですが、その中で彼女が「人生はものでできていない」って言うんですよ。忘れられない言葉です。
あっ、それと主人公以外にも彼のお母さんや前出の祖母、友達などが登場します。そして、みんな笑顔が本当にいいんです。計算されたスキのないスマイルというのではなく、思わず観てる側も“つられ笑い”してしまう屈託のない笑い顔!なかなかスクリーン上では見られない、いいものを見せてもらいました。
普段、日本語吹き替えのない作品は観ない私ですが、「これは字幕を追った甲斐がある」ってなもんです(笑)。
それでは・・・・。
2013年 フィンランド 日本語吹き替えなし