嫌う人も多いがするどい分析 ◆ 「『やる気が出ない人』の心理学」加藤諦三著

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タイトルからすると、いわゆる「先延ばしを止める」系自己啓発本のようですが、「心に葛藤があるから行動に移せないのだ」っていう心理分析を中心にした内容です。

 

うつ病患者は・・・」とか「神経症者は・・・」など、どの本でもシンプルな書きかたをされる加藤さん。この本もその切れ味は変わりません。

 

その表現のせいか、アマゾンでは厳しいレビューが目立ちます。しかし、私には思い当たることが多く、どの本も参考になります。できればすべてに目を通したいぐらいです。著作が多く読みきれませんが・・・。

 

 

 

ほんでもって、またまた刺さった文章が多かったので備忘録です。

 

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私自身も無力感、絶望感に苦しめられた人間である。私自身やればできることをしないで、「そんなことをしても意味がないのではないか」と単に議論だけしているという傾向がある。実際に何かをするよりも、しても意味がないのではないかと議論している方が楽であるから。

 

 

 

座っていたのでは情報は入らない。行動する人はとにかくいちいち自分の行動の効果を詮索してから行動するのではない。座っていても自分の望みは実現できないから行動するのである。

 

 

 

普通の市民で株で信じられないほど大儲けする人がいる。しかしその人がそれだけで自己有効感、幸福感を持てるかというとそうではない。それよりも地道に英語の発音を勉強して、少しでもうまく発音できるようになった人の方が自分の中に価値を感じることが出来るに違いない。

 

 

 

我々は成功ばかりで幸せになるのではなく、失敗と戦うことで幸せになるのである

 

 

 

私たちが何か心配な時に、心配する事態がもし現実になったとしても「私には出来る」と思うことが大切なのである

 

 

 

対人恐怖症者は他人を前に理想の人間を演じようとする

 

 

 

権威主義者とは自分の能力では結果をコントロール出来ないと思っている人達である。自分が住んでいる世界や、自分の人生がどうなるかということは、自分で考え、自分が反応しても仕方ないと思い込んでいるのが権威主義者であろう。

 

 

 

mindlessな人は状況を無視してある言葉を正しいと思い込む。ある情報を正しいと思い込む

中略

一つ一つの言葉を前後の関連なくまっ正面から考えすぎるのである

中略

mindlessな人は意地の悪い人のことを軽く受け流すことが出来ない

 

 

 

人間にとって恐ろしいのは困難そのものではなく、困難そのものを自分ではどうすることも出来ないのだと小さい頃学習することである。 人間にとって恐ろしいのは、酷い目にあうことそのことではなく、酷い目にあうと、それを自分は避けることができないと小さい頃学習してしまうことである。

 

 

 

行動しない人ほど推測や議論が好きである

 

 

 

相手に向けるべき攻撃性を自分に向けることで心は病んで行く。自責は心の病の一般的な特徴である。

 

 

 

一般に自分の人生にあまり関係ないことにヒステリックになって正義を唱えたりする人も同じように、自分についてあまり好ましい感情を持っていないのかも知れない。正義が問題ではなく、正義を持ち出すことで相手を憎むことが問題なのである。

中略

人類に絶望したということは「私は自分自身に失望している」ということの反映なのであろう。

 

 

 

心理的に病んだ人

自分に対する失望感を抑圧しているから、他人に対してヒステリックなほど高い基準を要求するのである。抑圧したものを他人の中に見つけてそれを非難することで、自分の心の葛藤を解決しようとしているのである。

 

 

 

非常に“耳が痛く”かつためになりました。

 

 

 

それでは・・・・。